レポート29 任期終了

2014年9月25日

ついにというか、いよいよというか、ドミニカ共和国に赴任して2年が経とうとしています。

ドミ共には9/8は「理学療法の日」で部署内で食事会が予定されてたんですが、JICAの報告会の日程と被ってたため不参加の予定でした。それが、皆揃うから出てこいと呼び出され、当日ドミニカ共和国在日本大使表敬もあったので暑い中スーツを着たまま出向くと、部署仲間から送別会を実施してくれるというサプライズ。いよいよなのかと実感してきましたが、帰国1週間前にADRのDirectorが急遽送別会を企画してくれ、帰国2日前に開催。そのため帰国2日前まで職場で普通に仕事してたんで、最後までバタバタしてて感傷に浸る間もありませんでした。最後まで「これぞドミニカ共和国」って感じでしたね。

 

9月にあったJICAでの最終報告とドミ共の経済産業企画開発省のプレゼンを製作しながら、活動についていろいろと思い返しました。この2年間、僕は大きく4つのことをしてきました。

一番力を入れてきたことが、いままでも何度かレポートに記載してきた「急性期リハと予防リハの重要性」を訴えること。結果からみると、1年目にデータを獲り、2年目に広報していくといったものでした。僕が配属されたAsociación Dominicana de Rehabilitaciónは、ドミ共全土に約30の支部を持つ最大のリハビリ施設です。だからこそ訴え始めなければいけないし、訴えていけると思いました。
僕一人から始めた活動が、支部訪問時から同僚が加わり、途中から配属先Dr.も加わってくれました。JICA専門家、隊員仲間の協力を得て、病院でDr.相手にプレゼンする機会も出てきました。その姿を見て、一緒に支部周りをした同僚がDr.学会を、手伝ってくれてたDr.が病院でのプレゼン機会を獲ってきてくれました。すると次は、そこに参加していたDr.やセラピスト、支部同僚からウチでもプレゼンをしてくれないかと依頼を貰うようになりました。そしてその次は、、、、というところで時間がきていしまいました。まだまだ訴え続けなければいけないことだと思います。でも、後半はドミニカ人主体で進んできてたし、活動の輪がだんだん大きくなってきていることを実感出来ました。プレゼンも同僚がほぼ行ってくれていたし、資料も渡してあるんで、僕の広報活動は一区切り出来るかなと感じて終えることが出来ました。

 

次に重要視したのが、同僚達の知識・意識の向上。僕が配属されてまず同僚に言われた言葉が、「何しに来たの?」でした。ボランティア要請を出したCPは理解していても、実際一緒に働く同僚達は「別に何も困ってないけど、何か?」って感じでした。でも同僚達が行っているリハビリというものは、僕が見てptのための機能回復というより、Dr.からあった指示(物療)のみをただ淡々とこなすという感じをうけました。
急性期のことを訴えていく以上、同僚の認識向上も図る必要があると思いました。知識や認識の押し付けにならないよう、同僚自身が必要性に気付いて変化する、促すように意識してきました。なので時間もかかりましたし、全員に響いたかというとそうではありません。でも少なからず、今後を担っていく若手には響いたとの手応えを掴む事が出来ました。どういったところかってのは言葉で説明するのは難しいですが、仕事のスタイルや質の変化を見てきた僕だからこそ解る部分です。
活動最後には、OTボランティアの頑張りによって、配属先ADRで支部・他職種を交えての勉強会を実施することが出来ました。いろいろと振り回された結果、僕らが当初思い描いてい形とは大きく変わり反省点も多々あるものの、まず開催出来たこと、他職種の話も聞け、多職種と同じテーブルで一緒に勉強が出来たことは、今後teamを作っていくための第一歩だと思うし良かったと思います。

 

そして部署内に2種類の練習用AFOを導入しました。効率良いリハビリの提供、Dr. とptへの装具の提案が目的でした。貧困層のptも体験でき、必要性を理解した上で購入してもらえるという側面、Dr.からも購入前に必要性の評価・確認の依頼を受けるという側面も持ち、そしてこれをきっかけにDr.との距離が縮まればという思いがありました。
提案から導入まで1年を要しましたが、同僚POボランティアの協力も得て導入することが出来ました。製作時、あえて同僚にモデルをしてもらいました。AFOの製作過程を知り、POとの距離感を縮めてもらう狙いもありました。現在、積極的にリハビリで使用してくれる人、使用してくれない人、それぞれです。僕が積極的に使用しptの変化を見せることで、一部の同僚から必要性の理解を得てきたように、積極的に使用してくれる同僚がいる以上、少しずつ輪が広がっていくと期待しています。

 
最後にカルテの導入。他部署との情報共有、ptの変化を見るため、ADLへの意識向上等さまざまな目的をもっての導入でしたが、これを理解し受け入れてもらうのが一番難しかったです。一番協力してもらえると思ってたOTともモメたし。。。。結果、使用してるのはほんの一握り。頭では理解していても、評価がしっかり出来ない、記入するのがメンドクサイ等々、さまざまな理由があると思います。僕も日本で働いている時に、新しい書類が増えると、正直メンドくかったし忘れることもよくありました。日本のようにしっかりした規律が無く、絶対記入でない以上、根付くのにはまだまだ時間が必要だと思います。しかしCPが必要性を理解してくれてて、学生の実習でも配布し理解と記載を促してました。少しずつ変化をもたらしていってもらえればと思います。

こうやって文章にしてみると、「えっ!?2年いてこんだけ!?」って感じになりますね。それも完全にGoalまで到達したのはないですもんね。でも僕にとって、導入することは短期Goalで、根付くことが長期Goal。だから今後も継続して長期展望でみていく必要があると思っています。長年ある形の中に新しい物を加えるというのは、なかなか難しいことです。でもそれって日本でも同じこと。皆の理解が必要なので、たったこれだけのことでも僕一人では絶対に出来なかったと思います。

こうやって活動出来てきたのは、JICAスタッフ、専門家、隊員仲間、日本から支援してくれた臨床運動障害研究会の仲間、そして何より配属先ADRの同僚や仲間が手伝ってくれたからこそだと思います。特にADR同僚達は地球の裏側から来た何者かも解らなかった僕を受け入れてくれ、意見を聞いてくれ、すごく協力してくれてたんだなと感謝しかありません。

   
そんな皆様への感謝を胸に、いよいよ帰国します。