ドミニカ共和国レポート

臨床運動障害研究会スタッフの清水康弘が、理学療法士として2012年9月より(2年間)ドミニカ共和国に赴任しました。
青年海外協力隊では、どのような面接・語学研修を経て海外へ飛び立つのか?また、現地でどのような活動を展開するのかをレポートさせて頂きます。
少しでも同じ目標を持たれた先生方のご参考になれば幸いです。

レポート27 意識改革

2014年7月31日

今シーズンは雨季に入ってもあまり雨が降っていません。Ciclónもまだ来てないし、暑さは日々増してきてるし。。。。それでも日本の湿度の高い暑さとは質が違うので、まだ過ごし易い?のかもしれないですが。

先月末にCPが学科長を務める大学で、学生相手に特別授業をして欲しいとのことで行ってきました。2時間の特別授業、ゼロからスペイン語で作るとなるとイヤになりそうですが、今まで配属先で実施してきた勉強会のを利用して1つの物を作りました。
当日、大学でPC等の準備中に1通のメールが同僚に届きました。メール内容は何もなく、何か添付されてるのみ。同僚が「何だ、これ?」って見てると、、、、

僕は「早期リハビリ普及活動」に関して、当初から整形医や外科医に現状を訴えて、早期リハビリ開始の重要性を理解し協力してもうことが重要であると考えていました。当初は昨年11月に開催された整形・外科医学会での発表が目標にしてたんですが、当時は整形医とのコネがなく、元整形医の配属先院長に頼んでたんですがリハ医と整形医との仲があまり良くないとのこともあり、直前になって尻込みされて参加出来ませんでした。そのため、支部を訪問し支部近隣にある病院に啓発ポスターを貼らせてもらったり、時には直接Dr.に会って訴えてきました。しかし、現状は勤務中のDr.としっかり話することは難しく、また病院もDr.もたくさんいるので、そのやり方で多くのDr.に訴えるのには時間がかかり過ぎてしまうのが問題点でした。なので、もっと効率良く多くのDr.に訴える方法を模索していました。

そんな時、CPから配属先で勤務する整形医に話の解る若いDr.がいるよと紹介してもらい、自分の考えとプレゼン内容についてを話をしました。そのDr. Lopezは早期でリハビリのオーダーを出しているらしいのですが、私の行った研究の結果、術後からリハビリ開始までの平均日数を見て驚いていました。ドミニカ人に多い、他人のしてることまでは興味ないっていう典型な部分です。Dr. Lopezはいろいろとアドバイスをくれ、その中に7月に整形・外科医の学会があるから俺の上司に相談してみてはとアドバイスをくれました。後日、彼の上司であるDr. Gomezに相談すると、Dr. Gomezは学会委員であるとのこと。しかし学会参加は一存では決められないとのことで、ドミニカ共和国の整形・外科協会の会長を紹介してくれました。すると同僚が「その協会、俺の家の近所にあるやん」ってことで、一緒に直接協会まで出向き、現状訴えと学会参加について話をしました。検討させてもらうとの返事をいただき、学会まで約3週間となった、ちょうど大学での特別授業の準備をしている時に、連絡先として教えてあった同僚の携帯にメールが入りました。メールには「ⅩⅧ  Congreso Regional México, Centroamérica y El Caribe de Ortopedia y Traumatología, SLAOT 2014」の学会の電子パンフレットが添付されており、発表者の中にDr.に交じって1組だけセラピストである私達の名前が掲載されていました。「あれっ!?参加出来んの!?」って感じで、そこから確認作業と準備でバタバタ。。。。でも配属先の協力も得られ、無事に発表することが出来ました。

  

また今月は、首都にあるHospital de  Policíaでも機会をいただき、多くのDr.やセラピスト相手にプレゼンをさせていただきました。学会では時間がかなり押していたので、質疑応答の時間がなかったのですが、今回はプレゼン後に質疑応答やDr.間同士で話する様子もみられ、同僚が第二の都市Satiagoでは行っている現状を伝えると、Santiagoで働いたことのあるDr.から「Santiagoで行えていることが何故首都で出来ないのか」という意見や、「opeのしっかりしたプロトコールを作成する必要があるのではないか」との意見も出ていました。また他院でも働くDr.から、都合がつけばその病院でもプレゼンをして欲しいとの依頼も受けました。

  

当初思い描いていたことが実現出来ていることはうれしく思います。でも僕一人ではこのような大きなことはとても無理。助けてくれる協力者達のおかげだと思っています。そして大きなことが実現すればする程、協力者が増えてきてる=少しずつ意識を変えてこれてるのかな、認めてくれてるのかなと感じ、すごくうれしく思います。もっともっと大きな輪になって、将来良い変化をもたらしていってくれればと願っています。

レポート26 小休止。

平成26年6月30日

ドミニカ共和国には大リーグのほぼ全球団の養成施設があります。ドミニカ共和国は昨年度のWBCで優勝もしましたし、大リーグや日本プロ野球でも多くのドミニカ人が頑張っており、「野球」はドミニカ共和国の国技といっていいほどです。そしてドミニカ共和国にとって「野球」はいろいろな側面をもっているようです。

  

貧困の国ドミニカで、野球が持つ大きな意味
(大リーガーを続々輩出。ドミニカ流の”雑草”教育)【リンク先:東洋経済オンライン】

先日、出張道中に同僚の用事に付き添い大リーグのキャンプへ立ち寄りました。将来の大リーガーを夢見て、多くのDominicanoがキャンプに参加していました。早朝に訪れたのですが、すでにトレーニングを始めており、聞くと朝の6時前からランニング等のトレーニングを始めているとのことでした。施設では、食事&Bed付で給料も貰え、午後には教育を受けれたりするそうです。
同僚はスポーツ関係に興味があり、以前から大リーグ施設にコンタクトを取っていたそうです。若い有望な選手が正しいトレーニング方法を知らないために、無理をして怪我をして夢が消えていくのを少しでも改善したいと語ってくれました。今回は施設でストレッチやマッサージ等のボランティア活動をすることが出来るようになり、その打ち合わせとのことでした。そのため私が主にして行っている活動「急性期と予防の普及」にもすごく興味をもってくれていて、積極的に手伝ってくれています。今回のボランティアは同僚にとってすごく良い経験になると思います。今まで以上に質問もされるので資料を見直し勉強もしますが、私が同僚に助けてもらってるように、私も少しでも同僚の力になれればと思います。

JICAボランティアの休日は配属先によって各々違うのですが、私の配属先だと、
週末&祝日が休み+①14日間の休暇(土日除)+②20日間の任国外旅行休暇(土日含)
の権利が与えられています。ボランティアだからと休暇日数を別に気にする必要もないのかもしれませんが、権利だからとこれを全部休むとさすがに多い。。。。各々ボランティアによって考え方も違いますが、遊びに来てるわけじゃないですからね。でも配属先スタッフも①同様の20日間程の有給休暇権利が与えられているため、私も+αは①のみを通常の病欠や任国外旅行を含めた旅行休み等に利用しています。それ以上休むと、同僚も「よう休むなぁ。所詮ボランティアやな」といった感覚を持つでしょうし、私自身も同僚と同じラインで働けない感じがします。それにレギュラーの週末&祝日休みがあるので、+αを使い切ることはなかなか出来ないですし、無理に使い切る必要もないと思います。私は今、途上国でボランティアをしていますが、逆の立場で私が日本で働いている病院に異国からボランティアが来たとしたら、この行動をどう思うのか、どう感じるのかと相手側の目線から自分を見て考えるよう心掛けています。なので権利とはいえ、休み過ぎもどうなのかと考えます。
+αの休暇は日本でいうところの有給休暇のようなものですが、私達ボランティアは当然無給のうえ、旅行に行くには日本の蓄えを切り崩して行くことになります。しかしなかなか北中米を旅行する機会もないので、今月は+αの休みを利用して任国外旅行に行ってきました。道中、急遽飛行機がcancelになり足止めされるハプニングもありましたが、それ以上にいい経験が出来たし、いい出会いもあったし、何より知り合いがわざわざ日本から来てくれて久しぶりに会えたことですごくリフレッシュが出来たと思います。任国外旅行は他の国事情に触れることが出来、外から任国を見直す良い機会になっていると思います。

残り任期は3ヶ月を切りましたが、まだもう少しすることが残っています。気分新たに、最後まで気を抜かずに駆け抜けたいと思います。

レポート25 AFOの導入

平成26年5月30日

ドミニカ共和国ではあまり本屋を見かけません。その代わりではないんでしょうが、Feria de libroという本の市が年に1回行われています。様々な分野の本が売られており、今年もスゴイ人で賑わってました。

  

実習に来る学生達と話していると、参考書等はインターネットで購入か可能ですが、解剖書や教科書は高額のためなかなか購入することが出来ないようです。大学にある本を全コピーしたり、講師から配布される資料で勉強しているとのことでした。ただでさえ頭の中でイメージを持ち難いドミニカ人、3Dのイメージは難しいようなので、僕は勉強会を行うときは解剖などの図やビデオを多く使用し、実際に行う等の工夫をしてイメージを持ち易くするように心掛けています。

今月は仕事休みの土曜日に、La Romanaという地方の病院でプレゼンする機会をいただき、職場のDr.と同僚と共に行ってきました。休日にもかかわらず、同地にある支部からも仲間参加してくれ、プレゼン後の意見交換でDr.と現状について話し合う様子が見られました。お互いの言い分があると思いますが、Dr.は術後に手元を離れたptがどうなっているのか、セラピストは病院や手術はどうだったのか等、まずそれぞれの現状を知らなければいけないと思います。そして改善していくためにはどうすればイイのか考えて、話し合い、実行していくことが大切だと思います。まだまだそこまではいかないでしょうが、結果としてそのような機会を持つキッカケになればと思います。

また、月初めの2日間、通常業務を休みとして支部代表も含めてアメリカのボランティア団体主催で切断者に対しての勉強会が行われました。彼らからも「equipo(=チーム)」や「prevención(=予防)」という言葉を何度も聞きました。また義足を使用する症例さんに実際に来てもらって症例検討会もありました。それぞれに問題を持つ患者さんでしたが、参加していたスタッフ達はどのように感じ、今回の勉強会で何を得たのでしょうか。。。。

そして待ちに待った練習用AFOをついに導入することが出来ました。提案し配属先からの承認を得るまで2ヶ月、PO部門に作ってもらうまで8ヶ月、結局計10ヶ月かかりました。4月以降も何度も促して、いざ作り始めると3日で完成。時間はかかったけど、結果が良ければ全て良しと思ってたけど、納品された出来栄えがあまりに酷い物でした。Sの方がMより高さがあり、Mの方がLより下腿周経が太い。足関節周りの大きさもバラバラの上、バンドが止めれない等、不備ばかりで到底納品出来る物とは言えないもの。ボランティアPOが指摘していたんですが、彼らは受け取る相手が気に入らなければ、それから修正すればイイといった考え方のようです。当然気に入るわけがなく、ウチのCPがPO部門に乗込んで行き、修正を依頼していました。修正のために余計に仕事と時間がかかること、いつも忙しいと言ってるけど自分達で忙しさを増やしていることをどうも理解出来ないようです。そのような状況なので、ボランティアPOも苦労しているようです。今回2種類のAFOを導入したのですが。写真はPOボランティアも関わり、1回でキレイに仕上げてくれた側のEquipoです。

しかしPT部門では、同僚からこの人はAFOが必要ではないかと相談を持ちかけてきます。何故必要だと思ったのか等一緒に考えてから、じゃあ試してみようってことで一緒に評価をしています。そしてセラピスト本人にも実際に体感してもらっています。こうすることで適正等を考えられ、次の患者さんに繋がっていけばと思っています。

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