ドミニカ共和国レポート

臨床運動障害研究会スタッフの清水康弘が、理学療法士として2012年9月より(2年間)ドミニカ共和国に赴任しました。
青年海外協力隊では、どのような面接・語学研修を経て海外へ飛び立つのか?また、現地でどのような活動を展開するのかをレポートさせて頂きます。
少しでも同じ目標を持たれた先生方のご参考になれば幸いです。

レポート18 新しい試み

平成25年10月30日

今月は、活動に新たな変化が出ました。とりあえず枚数限定ですが「カルテ」の試みが始まりました。
ADRにカルテはないのかというとそうではないです。TF部において、CVA ptに対しては初期評価を行い文章で紙に記載しています。しかし、それ以降は記載することはなく、整形疾患に至っては記録すらしない状態でした。でもDr.は、電子カルテがあり診察毎に記載しており、セラピストも書ける欄があります。TF部はシステムが整っていないとの理由で、Dr.の記載を閲覧するだけでした。じゃあptの状態の変化をどうやって比べてるのか、どうやってDr.に伝えるのか、等々の疑問を持ちました。また目標設定がないため、疾患だけに囚われ過ぎ、生活全体を考えられていないことが長期に渡るRHの原因の1つになっていると感じました。

その疑問と自分の考えについてCPと話し合い、それらの解決のため簡単な「カルテ」を導入してはどうかと提案し、原案を見せました。ADRでは「Dr.初診しRH回数を決めてRHオーダー→その回数のRH実施→Dr.再診」が通常の流れです。その初回RHと最終RH時に、基本動作、Barthal Index、ROM-t、疼痛、目標等を記載するというもの。これによりptの変化が見て取れ、ADLの何が出来ないのか、また生活に目がいくキッカケになればとの思いがあります。
ptは診療カードを持ってこないと診察やRHは受けれないので、カルテをそのカードサイズに製作し、貼り付るといったものです。内容はホント簡単なものなんですが、CPはすごく共感してくれました。

TF部だけでなく他部署も巻き込もうと思い、次はDr.診療部長と同様の話と協力をお願いしました。Dr.もptの変化を見て取れ、予後予測が立てやすいのではないか、継続してRHが必要なのかどうか判断しやすいのではないかと加えて説明したところ、Dr.部長もすごく納得し気に入ってくれ、原案の手直し等にも積極的に関わってくれました。そしてDr.診療部長にRH Dr.全体をまとめる広報をお願いしたんですが、僕がプレゼンした方がイイとのことで、Dr.全体会議でプレゼンと協力依頼をしました。

次はTF部セラピスト全体に対してプレゼンを行いました。プレゼンは、イメージがつき易いように3つの実証例を交えて作りました。僕が全部一人ですると楽なんですが、同僚皆と作っていきたいという思いがあり、同僚のNatalioにプレゼンをお願いしました。Natalioは30年ADRで働いており、義肢関係を主に診ています。そういった古株の人がセラピスト全体に促すことで、全体がまとまり易いのではないかと考えたからです。彼とこの話をした時に、以前カルテ様な物があったがRH Dr.の協力が得られなかった事実等いままでの経過や彼らの本音も知り、また僕が結果セラピストの仕事を増やしてしまうということで非難されるのではないかと心配もしてくれました。現在のDr.診療部長の人柄やptのためであることなどを説明することで快諾してくれました。結果、15分程の予定の動画も交えた15枚程のスライドにNatalioの考えも交えながら1時間弱もかけて説明してくれました。朝一行ったためptを待たせることになり僕は冷々しましたが、いろんな意見も出てすごくイイプレゼンだったと思います。

でもこれって7月の話なんですよね。。。。それから上層部の了承を得て等々、最終的に物が手元に届いたのが3ヶ月かかった今月です。ちょっと時間かかり過ぎっ!1つのことを始めるのには、ホント時間と労力が必要になります。ですが、何はともあれ新しいことを試せるということは1つの変化。継続すればイイですけどね。

 TFプレゼン時にTOにも広報してあったんです。しかし前日まで連絡が届いてなかったということで、TOは1人しか参加してくれませんでした。後日、TOに対してプレゼンを行い、情報共有、共通目標を持つことはチームRHの第一歩であると話したんですが、、、、TO部長は「何故TFがBarthal Indexを記載するのか、ADLの練習(起き上がり等の基本動作を含む)をするのか」、「ADL練習はTOが行うことでありTFは職域を侵すな」と言われてしまい、「効率のよいRH提供のため・すべてADL向上のためにRHを行ってるのではないか」等説明をしましたが、理解は得られませんでした。彼女も口では「terapia equipo」(= team RH)とよく言うんですが、熱くなったためか「R.D.では部署間での協力なんて無理なのよ」とまで言われました。team RHってどういった物を想像してるんでしょうかね。翌日「昨日はごめんなさい」って手紙をくれましたが、カルテが始まってもやっぱり協力はないです。今まで何人もボランティアを受け入れてきた部署であっても、こんな感じです。いろいろと難しいですね。

ということで、とりあえずDr.-TF間とで始めています。ただTO部にも、5代目のボランティアがいます。彼女もセラピストに対して少しずつ促してくれてるし、少なからず興味を持ってくれているセラピストもいます。僕の任期中は難しくても、少しずつ「equipo」が形成されていけばいいなぁと思います。

 国民的に飽きっぽい性格の人が多いので継続するかどうか解んないですが、考えてるだけじゃなくってまずは始めてみないと解らない!イイ結果が出るに越したことはないですが、どういう結果が出ようとも、それがまた次に繋がると思っています。最終的に根付かなくても意義を解してもらえればと思います。

  

レポート17 中間報告

平成25年9月30日

R.D.では9/8は「理学療法の日」なんだそうです。当日は日曜日だったので、その週末に職場でADRで働く理学療法士に対して労いの昼食会がありました。会長から労いの言葉や給料up検討中なんて話もありました。給料に関しては僕は全く関係ないですが(>_<) でも、こうやって職員に対して気を配ってもらえる職場ってイイですね。

今月はJICAで報告会がありました。今回僕は派遣後1年ということで「中間報告」をする行いました。各派遣国によって形式は違うようですが、R.D.ではボランティアは全員参加が課されています。現在R.D.のボランティアは総勢50人以上の大所帯。その人数の前での発表は緊張もしましたが、資料を作ることで自分の行ってきた活動を見直すイイ機会であったと思います。

今回の発表は、同期の18人の中間報告、今月任期を終えて帰国する2人の最終報告の計20人。一人持ち時間は15分とはいえ、2日に渡って20人もの話を聞くのはさすがに疲れました(^_^;)

活動が上手くいってる人、上手くいってない人など様々です。それぞれいろんな問題を抱えているように思いました。僕は。。。。どうなんですかね。今までの1年は下準備、これからの1年は活動的にいきたいと思ってます。僕一人で次々進めていく方がよっぽど楽なんですが、それでは結果何も残らないと思います。任期終了後のことも考え、自主性を促すために現地人を巻き込みながら活動していこうと思ってますが、どうなることやら。。。。。

今までは臨床運動研究会レポートでは、いろんな思い考えがあってあえて活動の詳しい内容に触れてきませんでした。でも少しずつですが、形に表れてきているものも出てきています。これからは「成功」「失敗」を含めた「結果」も発信していけたらと思います。文化の違う見知らぬ初めて来た国で、試行錯誤しながら手探りしながら行っているので、なかなか思うようにすすんでないのが現状なんですけどねぇ。。。。(>_<)

  

レポート16 施設紹介4

平成25年8 月30日

昨年の今頃は駒ヶ根で研修真っ只中だったと思うと、時間の速さに驚きます(-_-;) あと自分のスペイン語の上達の無さにも驚きます。ホンマに勉強しよ。。。。

いろいろお世話になった担当調整員、先輩隊員も順次帰国していってます。そして新しい人たちが赴任してきています。人の変化によっても時間の経過を感じます。

今回は職場紹介シリーズの最終回。他の技術部門を紹介したいと思います。

車椅子工房 縫製工房

車椅子の修理、制作も行ってます。

縫製工房

車椅子の座面や背もたれ、火傷のptが使用する服など制作。
木工工房

OTで使用する道具、各部署で必要な机、椅子、棚など制作。

塗装工房

木工工房で制作した道具などに色付けする。

言語療法部門

嚥下、言語訓練など実施。R.D.においては資格はない。

PCI(Paralisis Cerebral Infantil)小児麻痺を専門にRHする部門。
ここにもTF、TOが在籍している。

今回のシリーズで紹介出来たのは、まだまだ一部です。日本でもそうですが、いろんな部門が協力しあって1つの物を作り上げていっています。ADRにはいろいろな部署があり、必要なものを自分達で作り上げていくといった感じです。自分だけの仕事では成り立たない、また影で支えてくれてる、手助けしてくれてる部門があることを知ることは、とても重要なことだと思います。
他にはADRには養護学校も併設されています。また障害者に対して職業訓練なども行っており、実際にそのままADRで就職する人もいます。そうやって、長くトータルで考えられている、また診れていることはとてもすばらしいことだと思います。そのような考えが全体に広まればイイのになぁと思います。

▲トップに戻る▲